結論からお伝えします。
ユダヤ人の家庭では、子どもがまだ幼い頃から、父母が「お金の重要性」と「お金の正しい概念」を教えます。お金の話を子どもにするのは早すぎる、ではなく、早ければ早いほどいい。それがタルムードから5000年間受け継がれてきた考え方です。
上の子が「お金ってどこから来るの?」と聞いてきた日のことを覚えています。
いろパパはちょっと戸惑いました。「まだ小さいのにお金の話をしていいのかな」と思ったからです。「パパが仕事して稼いでくるんだよ」とだけ答えて、それ以上の話はしませんでした。
でもタルムードを調べていくうちに、その対応は少しもったいなかったと気づきました。ユダヤ人の家庭では、そこからがお金の教育の始まりだったのです。
この記事でわかること
- タルムードが伝えるお金の考え方
- ユダヤ式お金教育の3つの柱
- 年齢別・子どもへのお金の教え方
- 家庭でできる実践方法6選
- よくある質問
タルムードが伝えるお金の考え方
まず、タルムードのお金に対する考え方を知っておきましょう。
ユダヤ教では、お金や物など「数えられるもの」には幸せは宿らない、と説いています。逆に、タルムードの説話には、ウィズダム(知恵)を手に入れるためには、お金という対価を払わないといけない、という話があります。それは、対価なしで賢明さは身につかないという教えであり、何かを失わなければ何も得られない、という戒めでもあります。
つまりタルムードは「お金を稼げ」と教えているのではありません。「お金の奴隷にならず、お金を賢く使える人間になれ」と教えているのです。
「お金の奴隷」でなく「お金の主人」となる。これがユダヤ人の考える「経済教育」と言えるでしょう。
ユダヤ式お金教育の3つの柱
柱① 稼ぐ力を教える
タルムードには「父は息子へ商売を教えたり、職業教育をさせる義務がある。それを行わない父は、息子が泥棒になるように教えているのと同じことだ」という言葉が記されています。
「お金は働いて得るもの」「価値を提供することでお金が生まれる」。これを体験を通して伝えることが、親の責務だとユダヤの教えは説いています。
柱② 貯める力を教える
子どもたちは貯蓄する楽しさを学ぶことで、一生涯その習慣を持ち続けることができます。同時に、お金の正しい管理方法を学ぶことで、無駄な浪費をせず将来賢く使える大人になります。
柱③ 与える力を教える
「貧しい者に手を差し伸べよ」というのは、ヘブライ聖書の基礎となる教えです。ユダヤ教には「ツェダカ」という寄付の仕組みがあり、金持ちでも貧しくても、収入の10分の1を寄付することになっています。
お金は稼いで貯めるだけでなく、人のために使うことで初めて価値が生まれる。この考え方が、子どものお金教育の土台になっています。
年齢別・子どもへのお金の教え方
| 年齢 | 教えること | 具体的な方法 |
|---|---|---|
| 3〜5歳 | お金の存在を知る | お買い物で一緒にお金を払う体験 |
| 5〜7歳 | 稼ぐ・貯めるを体験する | お手伝いでおこづかいを渡す |
| 7〜10歳 | 使い方を考える | おこづかい帳・3つの貯金箱 |
| 10歳〜 | 投資・寄付の概念を伝える | 使う・貯める・寄付するの3分割 |
このようなお金の英才教育は赤ちゃんの時から始まり、進路選択をする青年期まで継続されるのです。
家庭でできる実践方法6選
① 3歳から「お金を使う体験」をさせる
なぜユダヤ系には大富豪が多いのでしょうか?それは、幼い頃からお金に関する教育をしっかり受けているからです。
まずはスーパーでの買い物から始めましょう。「これは100円だよ」「お釣りはいくらかな?」。お金を実際に使う体験が、お金の感覚を育てます。
今日からできること 次のお買い物で、子どもに100円を持たせて自分で払わせてみましょう。
② 「3つの貯金箱」を作る
ユダヤ式のお金教育で有名な方法が「3つの貯金箱」です。
| 貯金箱 | 用途 | 意味 |
|---|---|---|
| 使う | 好きなものを買う | 消費の概念を学ぶ |
| 貯める | 大きなものを買うために | 我慢と目標達成を学ぶ |
| 寄付する | 誰かのために使う | 与える喜びを学ぶ |
おこづかいをもらったら、3つに分けて入れる習慣をつけましょう。「寄付する」の箱があることで、お金は自分だけのためにあるものではないという感覚が育ちます。
今日からできること 100円ショップで3つの箱を買って、ラベルを貼るだけで始められます。
③ お手伝いとお金を結びつける
「労働の対価としてお金をもらう」体験は、お金の本質を伝える最良の機会です。
皿洗いをしたら10円・ゴミを出したら20円。最初は小さな金額でいいです。「働いたからお金がもらえた」という体験が、お金への健全な感覚を育てます。
ただし、「宿題をやったらお金をあげる」のような勉強へのお金は避けましょう。学ぶこと自体が目的でなくなってしまう可能性があります。
今日からできること 家庭内でできる「お仕事リスト」を子どもと一緒に作ってみましょう。
④ 「魔法のザクロ」の小話を読み聞かせる
タルムードには「魔法のザクロ」という小話があります。
三人の王子が魔法の力を持つアイテムを使って、病気のお姫様を助けようとしました。長兄は魔法のコップで姫を探し当て、次兄は魔法の絨毯で姫のもとへ飛んでいき、末っ子は持っていた魔法のザクロを半分差し出して姫の病気を治しました。姫が結婚相手に選んだのは、姫のために自分の魔法のザクロを失った末っ子でした。
この小話は「犠牲なくして、成功なし」という原則を伝えるための小話です。
「何かを得るためには、何かを差し出す必要がある」。お金を使うとき・貯めるとき・寄付するとき。この感覚が、お金との健全な関係を作っていきます。
今日からできること 寝る前にこの小話を話してあげて「末っ子はどうしてザクロを使ったと思う?」と聞いてみましょう。
⑤ 「知恵はお金より大切な財産」と伝える
特に歴史上迫害されてきたユダヤ人たちは、お金や物、不動産などいつも奪われる可能性があったことから、人生を切り開く知恵だけはきちんと受け継いできた。この財産だけは、誰にも奪うことはできないし、相続税もかからない。
「お金は大切だけど、お金よりもっと大切なものがある。知恵と知識は、誰にも奪えない財産だよ」と子どもに伝えましょう。これがユダヤの教育の根底にある考え方です。
今日からできること 「本を読むのはなぜ大切だと思う?」と子どもに問いかけてみましょう。
⑥ お金の失敗を責めずに学ばせる
子どもが持っていたおこづかいを全部使い切ってしまった。買ったものがすぐ壊れてしまった。そういった「お金の失敗体験」は、最高の教科書です。
「小さな苦労・小さな我慢を体験させる」というのもタルムードの教えです。
「全部使っちゃったね。次はどうする?」と問いかけてあげましょう。失敗から学ぶことで、本物のお金感覚が育ちます。
今日からできること 子どもがお金の失敗をしたとき、まず「どうすればよかったと思う?」と穏やかに聞いてみましょう。
こんな人におすすめの記事です
- 子どもにいつからお金の話をすればいいか悩んでいる方
- お金教育に興味があるけど何から始めればいいかわからない方
- 子どもに「お金と正しく向き合う力」を育てたいパパ・ママ
よくある質問
Q. お金の話を小さい子どもにするのは早すぎませんか?
早すぎることはありません。3歳から始められます。最初は「100円でお菓子が買える」という体験だけで十分です。難しい話は小学生になってからで大丈夫ですが、お金に慣れる体験は早いほどよいでしょう。
Q. おこづかいはいくらから始めればいいですか?
金額より習慣が大切です。最初は週100円・月300円でも十分です。大切なのは「3つの貯金箱」に分ける習慣をつけることです。
Q. 子どもへのお金教育におすすめの絵本はありますか?
「おかねってなに?」「さいふのはなし」など、お金をテーマにした絵本がいくつかあります。詳しくはこちらの記事もご覧ください。
まとめ
タルムードから学ぶ、子どもへのお金の教え方6選をまとめます。
- 3歳から「お金を使う体験」をさせる
- 「3つの貯金箱」を作る
- お手伝いとお金を結びつける
- 「魔法のザクロ」の小話を読み聞かせる
- 「知恵はお金より大切な財産」と伝える
- お金の失敗を責めずに学ばせる
「お金の奴隷」ではなく「お金の主人」になれる子を育てること。それがタルムードが5000年間伝えてきた、お金教育の本質です。いろパパも現在進行形で取り組んでいます。


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