「この子、将来ちゃんと自分で考えて生きていけるだろうか」
ふとそう思ったのは、6歳の上の子があだ名で呼ばれたとき、自分でその子のところへ向かって「嫌だ」と伝えてきた出来事がきっかけでした。
パパが何かを教えたわけじゃない。「嫌なら嫌と言っていい」という言葉を渡しただけで、子どもは自分で考えて動いた。
そのとき気づきました。「考える力」は特別な教育じゃなく、日常の中で育つんだと。
この記事では、0歳と6歳の2人を育てるパパが調べ・意識するようになった「考える力の育て方」をまとめます。
思考力は「特別な訓練で伸ばすもの」と思われがちですが、実際には日常の中で育てるものです。早く正解を出させるより、子どもが自分なりに考える過程を大切にした方が、長い目で見て成長につながります。
なぜ今「考える力」が重視されているのか
2020年から始まった新しい学習指導要領では、「子どもたち自身が、自ら課題を見つけ、学び、考え、判断して行動する力」が強く求められるようになりました。
AIが答えを出せる時代に、暗記だけでは通用しない。必要なのは「どう考えるか」という力そのものです。
でもそれは、難しい教材や特別な習い事がないと育てられないものではありません。家庭の日常の中に、考える力を育てるヒントはたくさんあるのです。
考える力が育つ子の共通点
調べていくうちに、考える力が育ちやすい子どもには共通した環境があることがわかりました。
- 「なんで?」を受け止めてもらえる環境がある:子どもの疑問に「そうだね、なんでだろうね」と一緒に考えてもらえる体験が積み重なる
- 自分で決める場面が多い:何を食べるか、どう遊ぶかを自分で選ぶ機会が日常にある
- 失敗しても否定されない:間違えたとき怒られるより「どうすればよかったかな」と一緒に考えてもらえる
- 親が答えをすぐ出さない:「こうしなさい」より先に「どうしたいの?」と聞いてもらえる
どれも「特別なこと」ではありません。声かけと関わり方の習慣が、考える力の土台を作っているのです。
日常でできる「考える力」の育て方7つ
① 「なんで?」に正解を教えない
子どもが「なんでお空は青いの?」と聞いてきたとき、すぐに正解を教えるのではなく「なんでだろうね、一緒に考えてみようか」と返す。
重要なのは「考えるプロセスを一緒に楽しむ」ことです。正解を教えることより、考えること自体を楽しい経験にしてあげることが先です。
子どもが「なぜ?どうして?」とよく質問する時期は、思考力が急速に育っているサインです。この時期に「うるさい」「後で」と返してしまうと、考えることへの興味が萎んでしまいます。
パパが実践していること:子どもに「なんで?」と聞かれたら、まず「なんでだと思う?」と聞き返すようにしています。子どもが自分なりの答えを出してきたとき、「すごい、それ面白いね」と受け止めることを意識しています。
② 答えより「過程」をほめる
「正解した」「できた」をほめるより、「どうやって考えたの?」「そう思ったのはなんで?」と過程に興味を持つ。
結果だけをほめ続けると、子どもは「正解すること」に집중するようになります。間違いを恐れて、考えることをやめてしまう子になりやすい。
一方、考えた過程をほめると「考えること自体が楽しい」という感覚が育ちます。
③ 「どうしたい?」を先に聞く
子どもが困っているとき、すぐに解決策を出さない。まず「どうしたいの?」「どうしたらいいと思う?」と聞く。
親が先に答えを出す習慣は、子どもの「自分で考える機会」を奪ってしまいます。少し待つ。その「間」が思考力を育てます。
以前、上の子があだ名で呼ばれて嫌だと相談してきたとき、パパはすぐに解決しませんでした。「どうしたい?」と聞いて、一緒に考えた。そうしたら子どもは自分で動いて解決した。あの経験がこの考え方を確信させてくれました。
④ 失敗を「次どうするか」に変える
転んだとき、失敗したとき、「だから言ったじゃない」ではなく「次はどうしようか」と聞く。
失敗は考える力を育てる最高の機会です。失敗した体験から「なぜうまくいかなかったか」「どうすれば次はうまくいくか」を考えることが、本物の思考力になります。
失敗を否定するより、失敗から学ぶ習慣を作ることが大切です。
⑤ 選択肢を与えて自分で決めさせる
「今日のおやつはどっちにする?」「公園と図書館、どっちに行きたい?」など、小さな選択の機会を日常に作る。
自分で選ぶ経験の積み重ねが、考える力の土台になります。何でも親が決めてしまうと、「どうせ親が決める」という受け身の姿勢が育ちやすくなります。
大切なのは、子どもが選んだことを尊重することです。「それにするの?」と否定せず、選んだことを受け入れる。
⑥ 親子で「考える遊び」をする
ルールのある遊び・パズル・ボードゲーム・工作など、考えることが必要な遊びを一緒にやる。
以前、紙とペンだけで「ルールあり絵描きゲーム」を上の子とやったことがあります。「○を使わずにじゃがいもを描く」というルールひとつで、子どもが全然違う発想を出してきた。制約があるからこそ、考える力が刺激されるのだと気づきました。
特別な教材がなくても、遊びの中に「考える仕掛け」を作ることができます。
関連:紙とペンだけでできる「ルールあり絵描きゲーム」で、6歳の予想外の発想に驚いた話はこちらの記事で詳しく紹介しています。
⑦ 親自身が「考えている姿」を見せる
「パパどうしようかな、こっちとあっちで迷ってる」「これってなんでだろうな」と、考えているプロセスを声に出す。
子どもは親の姿を見て育ちます。親が「考えることを楽しんでいる」姿を見せることが、子どもの「考えることは楽しいことだ」という感覚を育てます。
正解を見せる必要はありません。「わからないことに向き合っている姿」を見せることが最高のモデルになります。
0歳でも始められること
「考える力は小学生になってから」と思っていませんか?実は0歳の頃からできることがあります。
- 声かけを増やす:「おなかすいたね」「これなんだろうね」と日常の中で話しかけ続ける。言葉が育つ前から、考えることの土台になる
- 五感に刺激を与える:触る・見る・聞く・嗅ぐ・味わう体験を豊かにする。感覚が思考の土台になる
- 反応を待つ:赤ちゃんが何かに興味を持ったとき、すぐに次の刺激を与えず「見ている時間」を大切にする
0歳の下の子と接しているとき、視線の先にあるものを一緒に見て「これ気になるの?なんだろうね」と声をかけるようにしています。言葉はわからなくても、一緒に考える習慣は今から始められます。
やってはいけない「考える力を奪う」関わり方
良かれと思ってやってしまいがちなことが、実は考える力を奪っている場合があります。
- 困る前に先回りして解決する:子どもが困る前に手を出すと、「困ったら誰かがやってくれる」という習慣が育つ
- 間違いをすぐ正す:答えが違っていてもすぐ正さず、「どうしてそう思ったの?」と聞いてから
- 「早く決めなさい」と急かす:考えるには時間が必要。「間」を奪うことは考える機会を奪うことと同じ
- 否定から入る:「それは違う」「そんなわけない」という否定が続くと、子どもは考えを口にしなくなる
考える力と「自分の気持ちを伝える力」はセット
考える力が育つと、同時に「自分の気持ちを言葉で伝える力」も育ちます。
上の子があだ名の件で自分から相手に「嫌だ」と伝えられたのも、「どう感じているか」「どうしたいか」を自分で考える力があったからだと思っています。
考える力は頭の中だけで完結するものではありません。考えたことを言葉にして伝える、行動に移す。その一連の流れが「生きる力」になります。
まとめ:考える力を育てるために今日からできること
- 「なんで?」に正解を教えず、一緒に考える
- 答えより「考えたプロセス」をほめる
- 困っていても「どうしたい?」と先に聞く
- 失敗を「次はどうするか」に変える
- 小さな選択の機会を日常に作る
- 親自身が「考えている姿」を見せる
特別な教材も、難しい習い事も必要ありません。日常の声かけと関わり方を少し変えるだけで、子どもの考える力は着実に育っていきます。
パパ自身もまだ試行錯誤中です。でも「考える力は日常の中で育つ」という確信だけは持っています。一緒にゆっくり育てていきましょう。
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